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徳田本電子版『全訳資治通鑑 1戦国時代』

徳田本電子版 全訳資治通鑑 1 戦国時代

徳田本電子版 全訳資治通鑑 1 戦国時代

1巻は半分ぐらいが目次ということで、ほぼ半額の491円。まぁ、お試しということもあり、とりあえず買ってみた。

『資治通鑑』って初めて読んだのだけど、戦国時代から始まるんだなぁ。基本的にどこかで読んだ話しか書いてないけど、面白くてペロッと呼んでしまった。司馬光先生は呉起(孫子・呉子の呉子)が好きなんかなぁ。ほかにも多士済々やのに、割とクローズアップされていた印象がある。

まぁ、それはともかく。

この訳本、注釈がすごく面白い。

中国では年号は、先王、先帝の死後の翌日にすぐ替わるのではなく、翌年の元旦から。日本もこの年号の変更方法を採用すべきである。

あれ、中国の年号ってそうだったんだ? 基本的なことだと思うのに、ぜんぜん知らなかったよ。それにしても「日本もこの年号の変更方法を採用すべきである」だなんて、自分の意見をぶっこんでくるところ、すごいロックだ(そういえば、司馬光先生も割と唐突に自分の意見をぶっ込んでくるなぁ)。思わずここでビール吹いた。そして思った。「あなたは正しい」

でも、この一文を読んで薄々感じられるように(自分だったらちょっと手を入れたくなる!)、ちゃんと第三者が校正してるのかな? って不安に思う部分が多い。少なくない、じゃなくて多い。カッコが半角だったり、「メートル」と「メーター」を混ぜて使っていたり。はたまた、直後の節で出てくることをわざわざ注釈に盛り込んでいたり。一番つらいのは、地の文と注釈の区別がつきにくいところ。正直、本屋さんでこの本を手に取ったら、買うのを躊躇すると思う。

けれど、パワーは感じたかな。この人、『資治通鑑』が好きなんだなぁ。なので、割りと楽しんで読めてしまった。とくに注釈が好きだ。

『資治通鑑』や『十八史略』みたいな通史のいいところは、覇権王朝のない内乱時代を把握しやすいところだと思う。紀伝体だと、なかなかね。なので、漢代はすっ飛ばして魏晋南北朝に進むのもありか。反面、漢でいえば文・景の平和な時代って割と印象薄いからちょっと読みたい感じもある。続きを買うかどうかは、ちょっと様子見かな。

電子版だし、絶版になることがないのはちょっとうれしい。