だるろぐ

明日できることは、今日しない。

『人口から読む日本の歴史』『英仏百年戦争』『傭兵の二千年史』『戦国の陣形』

ここ数カ月ブログを書くのをサボってたので、溜まってしまった。めんどくさいので、歴史に関係するやつはまとめてしまう(それ以外はまた今度)。内容も覚えている限りで適当に。全部 Kindle で買っちゃったんだけど、ペラペラめくれないから読み返すのが微妙にめんどいんだよね。PC 版のアプリがもう少し軽かったら、マーカーを引いた部分を読み返せていいんだろうけど。

『人口から読む日本の歴史』

人口から読む日本の歴史 (講談社学術文庫)

人口から読む日本の歴史 (講談社学術文庫)

4冊の中では一番面白かった。こういうアプローチで歴史を読むっていうのも面白いもんだなー。

たとえば、縄文時代あたりまで、人口は東日本が優位だったんだね。狩猟・採集という面では、西日本よりも東日本の方が豊かだったんだ。三内丸山遺跡なんか青森県にあるじゃん? なんであんなところにって思っちゃうけど、それなりに理由があるんだな。

けれど、時代が下って農耕が始まると、逆に西日本が優勢になってくる。そういえば代表的な弥生遺跡・吉野ヶ里は西日本だし、ヤマト政権も西日本にあるわな。技術の伝播、温暖湿潤な気候、関東のように大平野がなくて人が集中しやすいってことあたりが農耕に向いてたんだろうな。

この関係が逆転するのは、だいたい鎌倉時代ぐらい。そういえば政権も西から東へと移ったな。なんでもかんでも人口だけで論じるのは危険かもだけど、やっぱり無視できないパラメーターではある。

あと、近世(江戸時代)の都市は“人口のブラックホール”だったってのも知らなかったかも。農村からガンガン人が集まってきて、ガンガン短命で死ぬから、江戸時代は人口が安定してたんだな。なので、明治になって都市衛生が改善されると日本の人口は急上昇していく。

ほかにも、お寺の宗門人別改帳をベースに江戸時代の出産サイクルを割り出す話なんかも面白かった。宗門人別改帳には嬰児まで登録されないので間引きの実態まではよくわからないが、それでも不自然な出産感覚などで実態が透けて見えてくる。

まだいろいろあったけど、興味を引いて覚えていたのはこれぐらい。記憶違いもあるかと思うんで、ぜひ自分で読んでみてください。

『英仏百年戦争』

英仏百年戦争 (集英社新書)

英仏百年戦争 (集英社新書)

書いてないと思って章を立てたけど、あとで自分のブログを検索したら書いてた。

読んですぐに書いたってことは、怠け癖を排して書くに値する本だったんだと思う。

『傭兵の二千年史』

傭兵の二千年史 (講談社現代新書)

傭兵の二千年史 (講談社現代新書)

「世界最古の職業は?」「娼婦!(ドヤァ」でもそれ、女の子の仕事だよね。男の子は何をしてたんだろうね。

答えは傭兵だね。ある意味娼婦よりキツい職業な気はするけど、そういうことをいうとフェミな人はあまりいい顔をしないかもしれないな。でも、現代になって傭兵はほぼいなくなったけど(いることはいる)、娼婦は減ったようにみえない。こういうところが、きっと根の深いところなんだろうなって思わんでもない。

さて、傭兵が娼婦よりも自由でいい感じなイメージがあるのは、たぶん権威に従属していないっていう点にあるんだろうな。

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いやなら従わなくてもいいわけだしね。実力さえあれば、の話だけど。

そういえばそういう意味での義賊を扱った面白い本があったので、もし興味あるなら読んでみてもいいかも(義賊は体制内で再分配を是正する役割も担ってた点が傭兵とは異なるね。例)ねずみ小僧)。

でも、中世イタリアではこの傭兵が跋扈しすぎて(なんせ諸侯が傭兵まがいのことをしておこずかい稼ぎをしていたぐらい)、逆に(都市)国家が傭兵に振り回されるなんて言う事態にまで発展していたり。これを憂えてマキァヴェッリが書いたのが『ディスコルシ』『戦争論』なんだな。彼は傭兵ではなく、市民兵による国家の防衛を唱えた。これはナポレオンの国民軍やら徴兵制により実現するんだけど、今度は逆に国家がリヴァイアサンになってしまい、巨大怪獣決戦≒世界大戦に発展してしまったりするわけ。でも、その過程で市民主義と国家主義が傭兵の居場所を奪ってしまう。現代では政情不安な発展途上国で強いられて傭兵になるなんてのを除き(むしろそういうのは民兵なのかも)、傭兵というのはある種ロマンの対象でしかない。

まぁ、そんな大枠の話に、スイス傭兵やランクツネヒトなんかの話が出てきて、そういう話が好きな人には面白い。『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』 - だるろぐ で触れたヤン・ジシュカなどもちょっとだけ出てくるよ。そういえばジョン・ホークウッドも出てくるんだけど、マンガ『ホークウッド』がもう終わってた。なんだそれ、まだまだこれからが面白いのに。エドワード黒太子あたりがちゃんと魅力的に書けなかったのがあまりウケなかったのか、著者が飽きちゃったのか。

さて、全体的の流れ的には面白かったのだけど、内容的にはちょっと薄いかな、もう少し肉がほしかったなって感じもする。この分量で二千年はキツかったかも。ハードカバーで2倍ぐらいの分量で読みたいわ。傭兵隊長列伝みたいなね。

『戦国の陣形』

戦国の陣形 (講談社現代新書)

戦国の陣形 (講談社現代新書)

めっちゃシンプルにまとめてしまうと、

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こんなのウソぴょん!って話だった気がする。

鶴翼は「ひらけー」、魚鱗は「あつまれー」程度の意味しかなく、鶴が翼を広げたような陣形、小部隊が密集して魚の鱗のように見える陣形なんてものはない、後代の軍記モノで生まれたイメージなんじゃないかなってこと。まぁ、よく考えれば、キッチリ(僕らが想像するような)鶴翼に組んで「これからお前らを包囲殲滅するやでー」なんていう戦いをしてたかっていうと、たぶんないわな。

むしろ重要だったのは兵種の正しい混合≒陣立てのようなものだったといのが主張だった気がするけど、実はあんまり覚えてない。武田信玄が強かったのは、村上義清にコテンパテンにされたときにこれを学んで、騎馬・長槍・飛び道具(弓・礫・鉄砲)をうまく組み合わせた陣立てを創始したから……っぽい。まぁ、なんにも考えず好きな武器を持ち寄って戦ったであろう地方豪族なんか、これで瞬殺できそうではある。