だるろぐ

明日できることは、今日しない。

コルベルティズム(Colbertism)

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ジャン・バティスト・コルベール(Jean-Baptiste Colbert、1619年8月29日 - 1683年9月6日): ルイ14世の財務総監。以下は、P.Clement『コルベール書簡、訓令および記録』による。

「財政が国の最も重要かつ本質的な政策であり……」
「人民をしてより多くの租税を容易に支払いうるほど王国内に貨幣量を増加させる」
「国の偉大さと力の差をもたらすのは、国にある貨幣の豊富さに他ならない」
「我々が現金を増やせば増やすほど、国家の力、偉大さおよび豊かさを増加させる」
「商業、製造業、および家畜の増殖は、貨幣を引き寄せる唯一の方法である」
「製造業は王国の繁栄の豊かな源泉である」

  1. 経済的自給主義: 自給自足主義 ― たとえ外国から輸入したほうが高品質&安かろうと、国内生産にこだわる(貨幣が国外に流出しないように)。もともとフランスは自給自足が可能で、孤立主義でもやっていけるという自負があった。
  2. 貿易差額主義: 保護貿易主義 ― 外国原材料の関税↓、外国製造品の関税↑
  3. 貴金属至上主義(クリソエドニズム): 貴金属・金銀の蓄積 ― 金銀鉱を持たないフランスは、上記2点の政策により、金銀を備蓄すべし

とはいえ、必ずしも「金銀≒富≒貨幣」という考え一辺倒ではなかった。金銀への執着は、フランスの後進性(と、諸外国へのキャッチアップのための政策)に起因する。

「国家を富裕ならしめるのは、金銀の豊富、真珠、ダイヤの分量にあるのではない。それは、生活に必要なモノ、衣料に適したモノの便宜にあるのであって、それが多ければ多いほど、ますますいいのである」

参照