『ソ連史』
- 作者: 松戸清裕
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/12
- メディア: 新書
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飛行機の中で読もうと思って、Kindle で買って空港でダウンロードしておいた。グアムまでの飛行機+ホテルで寝るときの読書時間でペロッと読めた。
記述は割と淡々としている感じ。世界史の授業でも受けているような。ソ連自体は、なんか学級会でもやってんのかって感じ。委員長格がクラスを牛耳ってみたり、かと思えば青い理想論振りかざして、クラスメートからブーイングを受けたり、そういうことの繰り返し。共産主義がいい悪いじゃなくて、ああいうやり方を国家レベルでやるのはどだい無理があるんだろうと思う。「計算機駆使して資源配分をし、ルールも極力簡素化すれば……?」と思わないでもないけれど、重箱の隅をつついて仕事を作りたがる人たちは枚挙に暇がないわけで、まぁ、無理だよね。複雑なシステムを複雑なまま運用するには、インセンティブのコントロールをするのが効率が良く、今のところ資本主義的なやり方しか人類は知らない。
ただ、ソビエトと言えば“独裁”っていうイメージが強いのだけど、そうでもない部分も少なからずあるっていう指摘ちょっと面白かった。どんなに強権的な組織でも、支持を完全に失えば成り立たないわけだし、探せば必ず民主的なところがあるのかもしれないけれど。あと、“祝祭としての選挙”の話も面白かったかも。ソ連の共産党ってわざわざ選挙してたんだな。それに意味があるのかどうかはよくわからんが、落選する奴も中に入るっていうことはまったく意味がなかったわけでもなかったんだろう。