だるろぐ

明日できることは、今日しない。

その貨幣には牛が刻まれている

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彼(テセウス)はまた貨幣を鋳造したが、その貨幣には牛が刻まれている。

これはマラトンの牝牛にちなんだのか、
ミノスの将軍にちなんだのか、
それとも市民に農業を勧めるためなのか、
そのいずれかであろう。

物の価値を表す言い方として、「牛百頭分」とか「牛十頭分」とかいうのがあるが、それはこの貨幣から始まったのだという。

プルタルコス『英雄伝』

テセウスはギリシアではじめて貨幣を鋳造した。(→ロムルスは?)

マラトンの牝牛: テセウスはテトラポリスの住民を悩ませていたマラトンの牝牛を退治してアテナイで頭角を表した。

ミノスの将軍: タウロス。ミノスでは「威勢があったがその性格ゆえに疎まれ」ていた。体格に恵まれ、競技会での活躍が確実視されていたが、それを快く思わない人がテセウスに参加を要請し、彼にレスリングで敗北することになる。また、テセウスがミノスを脱出する際に阻止しようと港で戦って討ち死した。

これまでは「牛百頭分」とか「牛十頭分」とかいう物の価値を表す言い方 → 貨幣 という発想しかなかったけど、その逆もありうるか。むしろ、双方が相互作用的に発達してきたと見るほうがいいのかもしれない。

画像は、クノッソスの貨幣で、迷宮の地図がモチーフになっている。前2世紀に造られたものだそうです。

http://my.noevirstyle.jp/00005512/daily/200812/12