だるろぐ

明日できることは、今日しない。

二つのデスクトップ

Windows 8 (コードネーム)の Developer Preview が公開されている。やはり、最大の注目は新しく追加された "Metro" 環境だろう。Windows 8 では、既存のデスクトップと"Metro"デスクトップの二つを使い分けて利用することになる。

これに関して、否定的な意見も多々見受けられるが、個人的にはこれは案外受け入れられるんじゃないかと感じている。

かつて、コンピュータを利用する人は、ほとんどすべてがプログラマーだった。プログラミングの素養がなくても、コンピューターのだいたいの仕組みを理解して、セットアップやカスタマイズぐらいは難なくこなす人がほとんどで、シェルスクリプトやバッチファイル程度ならば、"やる気さえあれば"組めただろう。彼らは_作る人_であると言える。

一方、コンピュータが普及するに連れて増えてきたのが、ソフトウェアを使うだけの人達だ。たとえば、ゲームソフトを楽しんだり、ペイントソフトで絵を描いたり、Webブラウザーで情報を収拾したり、仕事で表計算ソフトを使う人達の事だ。彼らのなかにも、セットアップやカスタマイズぐらいはできる人が大勢いただろうけど、基本的には_使う人_に過ぎなかった。

これまでのコンピュータのユーザーインターフェイスは、もともと作る人のためのもので、それが徐々に使う人にとてもわかりやすく拡張されてきた、という歴史がある。けれど、使う人が圧倒的多数になり、タグレットPCのようなコンテンツを楽しむためだけのコンピュータが増えてきた。であれば、そろそろ作る人と使う人の同居を解消して、それぞれが新しい住まいをもつべき時代が来たのではないだろうか。おそらく、十分に Metro Style App の数が増えてくれば、「使う人専用」のMetroデスクトップのみを搭載したエディションなども十分考えられるだろう。

とはいえ、「作る人」と「使う人」がいつも明確に分別できるわけではないし、表計算ソフトで仕事をしたりするといったように、「作る」ことと「使う」ことの境界が曖昧な場合も多い。だから、当面の間二つのデスクトップを用意するという解決策には合理的な理由があるわけだが、その場合にはシームレスな切り替えと連携が肝になるのだろう。とりあえず少しだけWindows 8で遊んでみたのだが、今のところはそこが十分練られている、もしくは試行錯誤されているという感触が得られた。

これは期待できると思う。