クラウディオ・カスティリオーニ氏、63歳で死去
MV Agustaを率いるクラウディオ・カスティリオーニ氏が17日早朝(伊時間)、北イタリア・ロンバルディアの街ヴァレーゼの病院で亡くなった。享年63歳。
カスティリオーニ氏は、イタリアの金属部品製造会社_Cagiva(カジバ)_の創設者ジョヴァンニ・カスティリオーニの子で、1978年、兄弟のジャンフランコ・カスティリオーニ氏とともにバイクメーカー・アエルマッキ社を買収しオートバイ製造を開始した。
以降、ドゥカティとの提携・買収(1983/85年)、ハスクバーナのオートバイ部門の買収(1986年)、モト・モリーニの買収(1987年)、MVアグスタの商標権獲得(1992年)、CZの買収(1993年)を経て、Cagivaを巨大なバイクメーカーへと育て上げた。カスティリオーニ氏は、_Ducati 916_、_Ducati Monster_など、イタリアを象徴する美しいモーターサイクルをこの世に送り出したのもこの頃で、レース活動でも輝かしい結果を残した。
しかし、その後グループは経営危機に陥り、1999年にドゥカティを売却。その後、MVアグスタのブランド復活とともに社名をMVアグスタグループと変更し、カジバはそのブランドとなった。 *1 。
カスティリオーニ氏の遺作となった3気筒スーパースポーツ_MV Agusta F3_のデザインに関わったモートン氏は、MCNに対してこう語っている *2 。
クラウディオは非常に多くのバイクを手がけました。彼がいなければ、その多くは存在することさえなかったでしょう。美しいバイクを作ることへの彼の情熱が、バイクを作る私たちを突き動かしてきました。だから、いつも私たちが作るバイクには彼の存在が感じられたのです。もうそれを目の当たりにできないと考えると、ショックです。彼は最後の最後まで口やかましかったけれど、それは情熱が彼を突き動かしていたから。F3を彼の満足のいくようにするのは悪夢だったけれど、理想的なF3を作るには必要なことだった。自分の工場で作られるものがバイクだろうが洗濯機だろうが全力であたる事業家がほとんどであった時代に生まれた最後の人がクラウディオだった。私たちが手がけるバイクが、これからも彼の想いを乗せた特別な機械であらんことを。