この前、諏訪湖行ったんですわ。
おっさん三人旅の続き。松山城へ行ったあとは、諏訪湖畔にある旅館で泊まった。
諏訪湖は生まれて初めて来たと思う(中央道から眺めたことはあるが、来たとは言えないだろう)。思った以上に神秘的な感じのする場所だった。隕石とか落ちて、女の子と入れ替わってしまっても不思議ではないですね(?)。『君の名は。』の聖地巡礼というわけでもなかったのだけど、なるほど、こういう景色を見るとああいう映画になるんだななどと思った。
諏訪大社
旅館にしけこむまえに、今回は(?)ちょっとわがまま言って諏訪大社詣でをした。祭神は建御名方命(タケミナカタ)。
タケミナカタは、『古事記』では葦原中国平定(国譲り)の場面で記述されている。
これによると、建御雷神(タケミカヅチ)が大国主神に葦原中国の国譲りを迫った際、大国主神は御子神である事代主神(コトシロヌシ)が答えると言った。事代主神が承諾すると、大国主神は次は建御名方神が答えると言った。
建御名方神は巨大な岩を手先で差し上げながら現れ、建御雷神に力競べを申し出た。そして建御雷神の手を掴むと、建御雷神の手は氷や剣に変化した。建御名方神がこれを恐れて下がると、建御雷神は建御名方神の手を握りつぶして投げ飛ばした。建御名方神は逃げ出したが、建御雷神がこれを追い、ついに科野国(信濃国)の州羽海(すわのうみ:諏訪湖)まで追いつめて建御名方神を殺そうとした。
その時に、建御名方神はその地から出ない旨と、大国主神・八重事代主神に背かない旨、葦原中国を天つ神の御子に奉る旨を約束したという。
タケミナカタ - Wikipedia
由緒の正しさでは全国の神社でも最上位レベルやな。
諏訪大社は4つの宮から成っている(自分から行こうと言い出したにもかかわらず、予習はまったくしてなくて、現地で知った)。
- 上社 (かみしゃ)
- 本宮 (ほんみや)(長野県諏訪市中洲宮山)
- 前宮 (まえみや)(長野県茅野市宮川)
- 下社 (しもしゃ)
- 秋宮 (あきみや)(長野県諏訪郡下諏訪町武居)
- 春宮 (はるみや)(長野県諏訪郡下諏訪町下ノ原)
知らんけど、きっと上諏訪の方が上流ってことなんやろうな。今回は松本~岡谷からきたので、下諏訪の方から攻略した。
下社秋宮
まずは成り行きで下社秋宮へ立ち寄る(伊勢神宮みたいにほんとうは参拝の順番とかあるんやろうか?)。月並みな感想やけど、割と雰囲気のよいところだった。規模は思ったほどではなく、大きめのお土産屋さんがある程度。
入り口に御神湯がでていているのが冬の参拝者にはうれしい。神さまのヌクモリティを感じる。ちょっとうれしかったので、お賽銭とは別に御朱印帳を買って、御朱印をいただいた(いつものは家に忘れたんだよね!)。
下社春宮
残り二人は宿に帰りたいオーラを出してたけど、どうせなので尻を叩くようにして春宮にも。歩くとちょっと遠いみたいだけど、車だと5分か10分程度だったように思う。
まず待ち構えていたのは、「下馬橋」。何の脈絡もなく橋がかかっていて謎だったのだけど、かつては御手洗川という川が流れていて(今は暗渠にでもなってるのかな? 小さな溝のようなものはあった)、それにかかる太鼓橋だったらしい。一応ここで下馬するのが礼儀だけど、今ではこの横を軽トラがぶんぶん走ってる。
神社への道を少しそれて散歩をしていると、御柱祭りの資料館(めっちゃきれいだけど、ヒトはいなかった)のようなものが建っていた。御柱祭りというのは諏訪神社のお祭りで、よく死者が出る過激さで有名だ。ここでは御柱のうえで飛んだり跳ねたり抱き着いたりして遊べる。
春宮は秋宮よりも寂しいところだが、静かなところを好むのならばまずここを訪れた方がいいのかもしれない。
林を抜けて川を渡ると――
万治の石仏というのが鎮座している。伝説によると、かつて春宮で石の大鳥居を造ろうとしてこの石にノミをいれたところ、その傷口から血が流れたのだという(オレはケチャップでも仕込んでいたんではないかと思っている)。石工は恐れをなし、その日は工事をやめてしまったが、夜床に就くと夢枕で「茅野市の上原山っていうところにええ石があるやで。わいじゃなくてそっち使ってくれや」という。果たして夢の通りに良材が得られたので、流血した石は阿弥陀如来を祭って石仏にしたんだという。石仏に加工するときにケチャップが出たのかどうかは、私は知らない。
ここではある方法でお参りをすると、よいことが起こるらしい。参拝の方法は看板で丁寧に案内されているので、よく読み、石仏の周りをグルグルしてみるといいと思う。
晩ごはん
その日の日程はここで終わり。その日は「油屋」という旅館で泊まり、信州ポークのしゃぶしゃぶ食べ放題を堪能した。部屋で食べられたら最高だったんだけど、設備のわりに安かったし満足した。最上階(7階ぐらいだっけかなぁ?)の露天風呂からは、諏訪湖が一望できていい感じ。
その日は10時間ぐらいガッツリ睡眠。翌朝の食事もバッチリ食べたった。
上社本宮
2日目は上社本宮から。4つの宮の中では一番賑やかで、お土産屋さんや食べ物屋さんも多い。さっそく甘酒飲んで、お土産を買ったった。
鳥居もデカい。ここをくぐって左へ折れると――
江戸時代だったかの伝説的な名力士・雷電為右衛門の像が立っている。相撲の土俵もこしらえてあったけど、相撲の神事でもあるんだろうか。
建物も立派だった。時間の関係で一社しか訪れることができないなら、ここに来るのがいいんじゃないだろうか。
ただ、おみくじはイマイチだった。
上社前宮
〆は上社前宮。
下社春宮っぽい閑静な雰囲気だけど、こっちは開放感があっていい。川がちょろちょろ流れていたので水を飲んでみたけど、フツーにおいしかった。
少し上に上ると、御柱がたっている。山々の連なりが長野っぽくていい感じだと思う。
御朱印コンプリート!
というわけで、諏訪四社の御朱印をコンプリート。この御朱印帳はシンプルでいいデザインなので大事にしようと思う。
あと、コンプリート記念のグッズももらった。真ん中の箱の中身は、落雁。落雁って食べたことなかったのだけど、口に含むと一気に唾液が吸い取られ、そのあとに甘みがくる感じ。
次くるときは電車+徒歩で回ってみるのも楽しいかもって思った。