だるろぐ

明日できることは、今日しない。

共和主義

第25回参議院議員通常選挙

速報段階だけど、自分の投票した候補は落選したらしい。まぁ、対立候補の方が見栄えするしなぁ……でもね、「自分の所属政党」すら明らかにできない候補者なんて、どうして信用できようか? 当確がでたときに NHK がよいツッコミをしていたのだが――「玉木さん…

『代議制民主主義 - 「民意」と「政治家」を問い直す』

代議制民主主義 - 「民意」と「政治家」を問い直す (中公新書)作者: 待鳥聡史出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2015/11/21メディア: 新書この商品を含むブログ (20件) を見る小粒だけどいろいろ役に立つなーと思った。“代表”の話はとても大事なのに、何…

『保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで 』

保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで (中公新書)作者: 宇野重規出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2016/06/21メディア: 新書この商品を含むブログ (13件) を見る割と薄めだけど、ポイントを押さえたいい本かなーと思った。バークやチェス…

四つの自由

自由(じゆう) liberty; freedom; Freiheit; liberté一般的には,心のままであること,あるいは外的束縛や強制がないことを意味する。哲学上は,人間が行為する際に一つの対象を必然的に追求するのではなく,それ以外の対象をも選びうる能力をいう。 自由(…

共和体について

個人的な考えを言わせてもらえれば、共和主義とは「共和体による自由を自覚・尊重し、それを発展・維持していこうとする考え」なのかなと思う。かつて、自分は自由を4つに分類してみたけれど*1、blog.daruyanagi.jp要するに、人間の自由の多くは(原始的な自…

期日前投票をしてきた

生まれて初めて国政選挙の投票をブッチしてやろうかと思うぐらい、今回の選挙には選択肢がないが、ちんちん電車に乗って街へ出て、国民の義務を果たしてきた。ちんちん電車の 2/3 はちんちんでできている— だるやなぎ に天使が舞い降りた! (@daruyanagi) 20…

『戦争の技術 』

戦争の技術 (ちくま学芸文庫)作者: ニッコロマキァヴェッリ,Niccol`o Machiavelli,服部文彦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る居酒屋のカウンターでぜんぶ読んだ。I'm at 炭…

『アゲシラオス』

クセノポン小品集 (西洋古典叢書)作者: クセノポン,松本仁助出版社/メーカー: 京都大学学術出版会発売日: 2000/06メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る『クセノポン小品集』より。アゲシラオスについては Wikipedia(アゲシラオ…

『黒い悪魔』

黒い悪魔 (文春文庫)作者: 佐藤賢一出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/08/04メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見るカリブ海に浮かぶサン・ドマング島に農場をもつダヴィ・ドゥ・ラ・パイユトリ侯爵と、黒人の奴隷娘…

『革命について』

革命について (ちくま学芸文庫)作者: ハンナアレント,Hannah Arendt,志水速雄出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1995/06メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 24回この商品を含むブログ (22件) を見る下書きには“58日前”と書いてある。引っ越しのために本を梱…

『私たちはなぜ税金を納めるのか: 租税の経済思想史』

私たちはなぜ税金を納めるのか: 租税の経済思想史 (新潮選書)作者: 諸富徹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/05/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 3日前に書いたブログの記事と、今書いてる仕事の記事が消えた! ふぁっきん、ふぁっ…

自然状態について、など。

とある本に、こんなことが書いてあった。 個人が国家を作るのであって、その逆ではない。国家が死滅しても個人は残るのだ。 これは、自分代わりと好んで引用する(res publica --しかし共和国は続くのです。 - だるろぐ)この言葉の対極に位置している。 …

そろそろ参院選にも一言いっておくか。

window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id = id; js.src = "https://platform.twitter.com/widgets.js"; fjs.paren…

その 黄金の一枚は……

免許の更新行ってきました。ゴールド免許証ですよ! やったー!(嬉しいので、今日のブログのタイトルは ARIA (漫画) - Wikipedia 風です)もう7年前になるのかな、ホンダのビートを回転限界<レブリミット>までブン回して東金道を爆走し、とてもニコやかな…

討議について

討議は、選択肢を洗練させるために行うのであって、自分の意見に反対するものを味方に引き入れる(≒説得する)ために行うのではない。 たとえば、 個の議題について賛成・反対を表明するだけでも 個の立場が生じうる。これを少数によって代表させることなど…

『政府論の歴史とモデル』

政府論の歴史とモデル (1977年) (現代政治学入門講座〈4〉)作者: B.クリック,小林昭三,石田光義出版社/メーカー: 早稲田大学出版部発売日: 1977/01メディア: ?購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログを見る貴族制と民主制のベストミックス - だるろぐ …

ゴシックバランス

原意は「ゴート人の」を意味する言葉である。ルネサンス期の15世紀-16世紀に、イタリアの美術家アントニオ・フィラレーテやジョルジョ・ヴァザーリらが、中世時代の美術を粗野で野蛮なものとみなして、「ドイツ風の」あるいは「ゴート風の」と呼んだことに由…

権威と権力

近代共和主義の源流―ジェイムズ・ハリントンの生涯と思想作者: 浅沼和典出版社/メーカー: 人間の科学新社発売日: 2001/05メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログを見る ハリントンは、権威と権力とは明確に区別されるべきものと考え、ホッブズ…

二つの原理

支配は財産を基礎とする。暴力や詐欺によって統治が変わることはありうるとしても、当地を基礎づけ、かつ永続化させるのはまさに財産である*1 ハリントンは、政治の原理として二つの要素ないし側面があると考えていた。ひとつは内面的なもの、つまり精神の善…

貴族制と民主制のベストミックス

貴族制+民主制=共和制 バーナード・クリックによれば、 貴族制とは、原理的には賢者の支配であり、法的には少数の支配であり、社会的には有産者の支配 であるという。一方、 民主制とは、原理的には意見の支配であり、法的には多数者の支配であり、社会的…

ハリントンによる諸国家の政治的秩序のまとめ

イスラエル 法律承認ないし国家の議決権を持つ全会衆集会、全会衆集会への提案権や最高裁判権をもつ長老会議ないし最高会議、および法律の執行機関としての行政府から成っていた。 アテネ 提案権を担った元老院、議決権を行使したが、同時にしばしば討議を行…

『近代共和主義の源流―ジェイムズ・ハリントンの生涯と思想』

近代共和主義の源流―ジェイムズ・ハリントンの生涯と思想作者: 浅沼和典出版社/メーカー: 人間の科学新社発売日: 2001/05メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログを見る日本でハリントンを網羅的に研究したひとはほとんどいないみたい。ホッブズ…

討議と代表の分離、二院制

日本の政治はなぜこんなに混乱しているのだろう。その理由に、ジェームズ・ハリントンがヒントをくれた。 討議と代表 多人数では十分に分別のある討議は行えない。 反対に、少人数では民主的な議決が生み出されることはありえない。 これは「代議制」のエッ…

ハリントンの政体分類

ハリントンの政体分類においては、プラトンにおける「権力者の数」「法による支配の有無」、アリストテレスが追加した「国民の共通利益に合致しているかどうか」という伝統的な基準に加え、社会の“下部構造”、すなわち「所有のバランス」という視点が加わる…

徳について

「徳(virtue)」は共和主義を考える上で避けて通れないワードであるにもかかわらず、自分にはそれがなになのかはっきりとは説明ができない。 徳(とく)は、人間の持つ気質や能力に、社会性や道徳性が発揮されたものである。徳は卓越性、有能性で、それを所…

公平なケーキの切り分け方

ケーキがあって、それを二人の少女の間で、できるだけ公平に分けるにはどうしたらよいだろうか。よく知られているように、一人の少女が自分で納得できるように切り分け、もう一人が先に選ぶのだ。不公平な切り方であれば、大きな方を取られしまい、自分には…

道徳心と共感、日常。

宮城県の沿岸13自治体で障害者手帳所持者の3・5%にあたる1027人が東日本大震災で亡くなり、死亡率が住民全体の2・5倍に上ったことが30日、分かった。障害者支援団体「日本障害フォーラム宮城」の資料から共同通信が集計した。大半が津波による…

「三人の子どもと一本の笛」

一本の笛をめぐって言い争っている三人の子どもがいる。アンは楽器を弾くのが得意で、三人のなかで唯一笛を吹くことができる。 その腕前は確かで、彼女の吹く笛の音が一番美しい。 ほかの二人もそれは認めている。ボブは貧乏で、三人のなかで唯一おもちゃを…

新しい共和主義

試みに、政治的自由と経済的自由というベクトルをもうけてみた。孤立した個人は、サルの自由をもつ(四つの自由 - だるろぐ)。しかし、ヒトは共同できるほうがより多くの自由を獲得できるはずだ。古典的共和主義が重視したのは、この自由だ。とくに古代ロー…

四つの自由

過去記事の改稿・再掲です(http://blog.daruyanagi.net/archives/451) 自然的自由 ―― サルの自由 「自然的自由」とは、孤立した個人のもつ自由で、まったくの「私」の自由のこと。「サルの自由」と言っていいかもしれない。「自然的自由」においては、何の…